薬都・富山のさらなる発展に貢献
創業100年に向けて会社の在り方を探る中、私たちが最優先課題に据えたのが、これまで成長を支えてくれた地域社会への恩返しでした。
藩政時代の配置薬業から始まり、300年余りの歴史を持つ富山県の医薬品産業。
薬都としての発展を地域経済活性化に繋げようとさまざまな取り組みを行っている富山県。故郷のために、石金精機も何か力になれないか-そう考えたとき、県内には医薬品メーカーの数に対し薬をつくるための設備を手掛ける企業が少ないことに気がついたのです。
ヒントとなったのは、関連する技術を育成して街の中に集約し、地域全体で経済的な発展を遂げた愛知県の自動車産業。石金精機が培ってきたものづくりの経験を活かし、県内の医薬品メーカーが必要とする生産設備の製造を担えば、さらに強固な薬都・富山の基盤を築くことができるはずです。
錠剤、顆粒、液体など医薬品の種類は多種多様で、工程も生産機器もさまざま。そのすべてに対応できる技術と体制を構築し、富山県の医薬品産業の発展を縁の下から支えることで、少しでも地域貢献ができればと考えています。
医薬品は人の健康に直接関わる製品であり、製造には高い精度と細やかな基準が要求されます。しかし、石金精機には同じく人命に直結する航空機部品製造で厳しい基準をクリアし、高いニーズに応えてきた実績があります。この経験を糧に、医薬機器事業の拡大をめざしていきます。
富山で磨き、受け継いできた技術で、富山をもっと元気にしたい。
石金精機の医薬機器分野への参入は、地元へのそんな想いからでした。
石金精機はこれまで自動車や半導体部品を生産する設備の製造を主事業として技術を磨いてきました。
医薬機器事業では、培ってきた技術やアイデアを応用し、付加価値の高い医薬品製造機器の開発に取り組んでいます。
ミニタブレット打錠用杵臼の開発
小児や高齢者は嚥下能力が低く、医薬品の服用が困難な場合があります。既に欧米では小児用医薬品の開発が法制化されており、成人医薬品の開発過程で小児用の検討も義務付けられています。この解決策のひとつとして、富山県薬事総合研究開発センター(略称:薬総研)と共同で、ミニタブレット製剤を製造するための「ミニタブレット打錠用杵臼」の開発に取り組んできました。
詳しくは こちら の資料を参照ください。
富山県内には100を超える医薬品メーカーがあり、工場ではさまざまな生産設備が稼働しています。しかし、海外製の設備も多く使用されており、メーカーにメンテナンスを依頼すれば時間や費用がかかるという切実な問題が発生します。
石金精機では、自動車製造用の工作機械や生産ラインを立ち上げてきた実績から、医薬品メーカーからの依頼を受け、動かなくなっていたヨーロッパ製の医薬品製造機器6台のオーバーホールを行い、再び稼働させた経験があります。
当時は初めて見る医薬品製造機器に戸惑うばかりでしたが、職人の技と粘り強さで約2年間かけて地道に作業を続け、ついには工場の方々から「以前と同じように動く」とのお墨付きをいただきました。この間、作業の進み具合に合わせて少しずつ機器に隠された数々のノウハウを吸収し、現在では医薬品製造機器のアフターメンテナンスにも自信を持って取り組んでいます。